国語って意味あるの?

美容室で雑誌を読んでいたら、気になる記事が目に飛び込んできた。
「遅読の練習」
スロー・リーディングを提唱する作家平野啓一郎さんの記事だ。
15年くらい前、フォト・リーディングという速読法を学んだ。
確か3日間のセミナーだったと思う。
本を読むのが遅いことのにコンプレックスがあったからだ。
「作者が言いたいことは7%。それをいかに効率的に見つけるか?」
「まえがき読んで、あとがき読んで、目次読んで。」
「何が書いてあるのかを想像してから読む。」
そうやって一冊の本を攻略していくことを学んだ。
100%できるようになった訳ではないけれども、簡単な本なら速読できるようになった。ビジネス書なんかは1時間くらいで読めるようになったと思う。
速読のおかげでたくさんの本を読めるようになった。
ただね、これでいいのかなーっていう感覚があったんです。
血肉になっていないような感覚…
平野さんは速読のデメリットについてこう言っています。
『いろんな情報を手にすることは可能だが、
そうして得られた情報は、表面的かつ断片的で、
今の自分がもつフレームだけに当てはまる知識に過ぎない』
痛いところを丁寧についてくるなーこの人、って思いましたね。
速読は大食いの人と同じだとも言っています。
うまいこと言いますね。
そして遅読のメリットについて、こう話します。
『時間をかけて読めば、
自分とは異なる人の意見にも耳を傾けられるようになる。
ゆっくり読むことで自分の知識を体系的に変化・深化させることができる。
知識が体系的に身についていけば、
社会で何が起きているのかを解釈する力も同時に養われる。
フェイクニュースに騙されることもない』
大学受験の時、国語って意味あるの?って思っていました。
もう30年前です。
得意じゃなかったというのもあるし、社会人になって必要ないって思っていたから手を抜いていました。
大学卒業後、ゲームばっかりやっていた20代。
ダビスタで頑張って作った愛馬はめちゃくちゃ弱かった。
もし戻れるなら、あの時間を読書に使いたいって本気で思います。
一人一人が自分の考えを発信できる時代。
メールも、ブログも、音声も、動画も。
でもね、全ては言葉なんですよね。
プレゼンだって言葉だし、コンセプトも言語化しないといけないし、映像だって言葉がなかったら成り立たない。
僕はね、これからは国語力が大切になると思うんです。
国語力を鍛えるためには本を読むこと。それもなるべくゆっくり。
ネットの記事とか、このブログとかは、バーって読んでもらっていいんです(笑)
でもね、いい作品はゆっくり読んでみましょう。
大事なのは、時間をかけて読んでもいいという本に出会うこと。
人それぞれ好みがありますから、好きな著者から攻めていって、その人が影響されたものを片っ端から読んでいくのがいいんじゃないかなって思います。
あとは昔の有名な作家、たとえば夏目漱石とか芥川龍之介とか、三島由紀夫なんかもいいかもしれない。
名作と言われるものは一通り触れておくことも大切だなって思います。
そして書く。読書と同じ。なるべく時間をかけて。
書くことで論理的に表現できるかをチェックできます。
読むのと書くのは能力が違うからなかなか大変ですが、やっていくとある程度は書けるようになるものです。
読書をしていると、論理的な考えや独特の表現が、作者に影響されて引っ張られていくことってあるよね。それを表現にいれて遊んでみる。そういう感覚が大事なんじゃないかなって思う。
言葉を訓練すれば話し方も変わります。
そうなったら人も惹きつけられます。
素敵な話し方ができる人になりたいなって思います。
それが頭の良さですよね。
ノリと勢いだけではなんともならなくなってきた。
そう思います。
もし遅読に興味が出てきたら
平野さんの「本の読み方」という本を読んでみるといいですよ。
スロー・リーディングの効用がわかりやすく書いてあります。
とにもかくにも、美容室はいい場所だ。
だって、メルマガのネタを提供してくれるんだもの。
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今週も週刊秋葉塾をお読みいただきましてありがとうございました。
メルマガの読者さんに、
「ある時から文章が一気に変わりましたね」
「話しているのと同じ感じで文章書きますね」
と言われました。
書くトレーニングを2年ほどやったこともあるのですが、
その期間、じっくりと読書を行なったことも影響していると思います。
今年で一番嬉しかったなー。
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