夏休み

スマホのアラームが鳴る。最近、寝起きが悪い。
眠気覚ましに、スマホにある[F]のアイコンを押す。
この季節、タイムラインは旅行の投稿で埋め尽くされる。
子供との二人旅の投稿もある。
「クソー」と思いながらも「いいね!」を押してしまう自分。
夏休みは残酷だ。
息子とは、もう二年半口をきいてもらっていない。

美容室に行ったら、前日に息子が来ていたみたいだ。
「やばいんですよー。宿題が終わらなくて」と彼は言って、本を読んでいたそうだ。読書感想文の宿題かもしれない。
美容師とは20年ほどの付き合いがある。僕と息子との関係も知っていて、何かと気を使って僕に報告してくれる。
息子は一日に7時間くらいゲームをしているらしい。特に好きなゲームには500時間以上費やしているとか。
僕も中2のとき、どうしてもやりたいゲームがあった。確か「ドラクエ」か「キャプテン翼」だった。
家にはテレビが1台しかなく、一日1時間の制限があった。
僕はどうしても自由にゲームがしたかった。
毎年のお盆には、本家に集まって墓参りをする習慣がある。それをチャンスと捉え、墓参りに行かないと宣言して留守番することにした。もちろん、夜通しゲームをするためだ。
夕食を一人でとりながら、ゲームをスタートさせる。
だれに邪魔されることなく、ただただゲームに没頭できる時間。それは本当に至福だった。
しかし、真夜中を過ぎると、家の雰囲気が変わり始めた。
周りの家の明かりが消え、周囲の静寂が増していく。誰もいない家。時計の音が鮮明に聞こえる。トイレへ行くのも怖くなる。
さらに夜が更けると、背後に何かいるような気配を感じて、ゲームどころではなくなってしまった。

今、息子は、自分の部屋があり、専用のモニターがあり、誰にも邪魔されずにゲームをやれている。夜だって暗くないし、時計の音もしないし、トイレだって近くにある。
それでも一日7時間やるってなかなか根性あるなと思う。
中学受験の時、甘ちゃんな息子に頑張ることの大切さを教えたかった。だから、毎日コツコツやること、繰り返しやることを身につけて欲しいと思った。その時の僕の圧が強すぎて、二人の関係は壊れてしまったのだけれど。
ゲームに熱中する息子だが、テスト期間中はゲームを断って勉強を頑張っているらしい。日々の授業態度もいいようで、先生からの評判もよく、成績は20位以内をキープしている。この夏、彼は英検3級と漢検2級も取得したようだ。やり方は良くなかったけど、僕が伝えたかったことは彼に伝わったのではないかと感じる。
Facebookでは、10年前の写真が時折表示される。
この季節に出てくるのは山形や秋田に帰省した時のものだ。当時の息子は言うことを聞かない時期でもあり、僕自身も余裕がなく、厳しく接することが多かった。
今思うと、もっと甘やかしてあげればよかったなって思う。
男親は、つい息子にはしっかりして欲しいと思ってしまう。だから、甘えん坊の息子に厳しく接することが多くなっていた。思い返してみると、僕自身、父から人生の教えを受けた記憶がない。たぶん、耳に入ってこなかっただけだと思う。父に一番言われたくないからね。
父親って、ただただ優しく、寛容であればそれでいいんだと思う。
人生の厳しさは、先生や周りの先輩、友達が教えてくれるものだから。
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今週も「週刊秋葉塾」を読んでいただき、ありがとうございます。
ということで、娘には甘々の僕です。
人生の厳しさは、みなさんから教えてあげてください。
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