スイカは幸せな味がする
母からスイカの写真が送られてきた。
重さは10キロもあるという。
大きいと味が薄い気がするけれど、甘くてとびきり美味しかったそうだ。
重さは10キロもあるという。
大きいと味が薄い気がするけれど、甘くてとびきり美味しかったそうだ。
山形といえばさくらんぼが有名だが、
実は一年中、ラ・フランス、ぶどう、りんご、ももと、
色とりどりの果物が実るフルーツ王国だ。
その中でも、僕の一番のお気に入りはスイカ。
特に尾花沢のスイカは、甘みもそうだが味が濃い。
頬張ると夏の香りが広がる。
子どもの頃、
夏になると軽トラックの荷台に山盛りのスイカを積んだ農家さんがやってきた。
1個500円。大きくても800円だった。
最近スーパーで見かけたスイカは2000円が当たり前になっていた。
昔はよかったな、と思う。
1個500円。大きくても800円だった。
最近スーパーで見かけたスイカは2000円が当たり前になっていた。
昔はよかったな、と思う。
スイカには、僕の夏の記憶が詰まっている。
夕食後、縁側に座って家族で食べたあの時間。
地域のキャンプや花火大会、夏祭り。人が集まる場には必ずスイカがあった。
テレビでは、夏になると志村けんがスイカの早食いを披露していて、
夕食後、縁側に座って家族で食べたあの時間。
地域のキャンプや花火大会、夏祭り。人が集まる場には必ずスイカがあった。
テレビでは、夏になると志村けんがスイカの早食いを披露していて、
子どもの僕は何度も挑戦した。
母から届いたスイカの写真は、あの頃の記憶を蘇らせてくれた。
⭐︎
先週実家に帰省した。
夏の帰省は子どもが小さい頃以来だから10年ぶりかもしれない。
今年は水不足で大玉は作らなかったそうで、代わりに小玉スイカを作ったそうだ。
今年は水不足で大玉は作らなかったそうで、代わりに小玉スイカを作ったそうだ。
父が育て、母が切ってくれたスイカを頬張る。
冷たくて、甘くて、あの縁側で食べた日の、夕暮れの匂いがした。
冷たくて、甘くて、あの縁側で食べた日の、夕暮れの匂いがした。
気づけば、父は80歳を超え、母ももうすぐ80歳になる。
あの頃の二人は、きっと毎日が必死で、そして精一杯だった。
それでも僕に、こんなにたくさんの幸せな記憶を残してくれた。
あの頃の二人は、きっと毎日が必死で、そして精一杯だった。
それでも僕に、こんなにたくさんの幸せな記憶を残してくれた。
スイカを食べながら、心の中で「ありがとう」とつぶやく。
この甘さは、家族と過ごした時間、笑い声、夏の匂い──
この甘さは、家族と過ごした時間、笑い声、夏の匂い──
全部が溶け込んだ、幸せの味だった。
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今週も「週刊秋葉塾」を読んでいただき、ありがとうございます。
最近は、騒音とか煙とかで、外で花火もしなくなっているそうです
田舎でもそうなのかと思うと、なんか寂しいですね
花火とスイカは最高の組み合わせなのに
田舎でもそうなのかと思うと、なんか寂しいですね
花火とスイカは最高の組み合わせなのに