青学、強さのヒミツ

「また青学かー」
熱狂的ファンである妻を横目につぶやいた。
箱根駅伝2連覇。しかも大会新記録。
2015年の初優勝から今回で6回目。強い、強すぎます。
ちょっと憎たらしい強さです。

しかし、こんなに強い青学ですが箱根以外では負けているんです。
大学駅伝は三大駅伝といわれているのですが、
2021年、青学は出雲駅伝・全日本駅伝ともに2位でした。
他では勝てない。しかし箱根では圧倒的は強さ。なぜでしょう?
それは、“箱根に勝つことだけ”を考えているチームだからです。

2004年、まだ弱小だった青学に就任した原晋監督。
彼は大義を掲げました。最初の5年で箱根出場、10年で箱根優勝というものです。この大義を実現するために、生活習慣をあらため、箱根に適した人をあつめ、勝つためのトレーニングを行ないました。練習時間は一日3時間。しかも月曜日は休養日。長時間練習は故障するだけだと否定し、きちんとしたエビデンスやデータに基づく指導を重視。プロのトレーナーを招聘するなど、最新の指導法も取り入れました。
青学にはエースと呼ばれる選手がいないのも特徴。飛び抜けた選手にたよるより、中長距離をしっかり走れる選手を育てたほうが箱根で勝つ可能性がたかくなると考えました。

監督就任6年目、34年ぶりに箱根出場。2015年には念願の初優勝をあげます。
そして今、彼の大義は「陸上界を盛り上げる」というものに変わりました。大学駅伝で優勝してメディアに取り上げられるのは箱根駅伝だけ。選手はテレビにも出演し、それを見た子供たちが青学のような陸上選手になりたいと思う。箱根を盛り上げることは、陸上界をハッピーにすると本気で思っているのだ。

箱根バカな青学。そのためか大学卒業後、ほとんどの選手が陸上を辞め、サラリーマンになるといいます。原監督は選手たちに、社会に出て出世しろとメッセージを送ります。箱根を目指す過程で培った自主性や自分の言葉で話すことは、社会でも役立つものだと。
彼は元々中国電力の陸上選手でした。引退後、営業マンとして活動しますが、社会に出てから何もできず相当苦労したみたいです。そうなってほしくないという思いが込められているんしょう。これも彼の大義の一部。残酷なようであたたかい。

大義とビジョンはどう違うのでしょうか?
未来を写すということでは同じですが、大義にはワクワク感を感じます。
大義にはロマンが必要だといいます。
だからでしょうか。実現できそうな未来を予想させてくれます。

では大義をどう作っていけばいいのでしょうか?
原監督は三割の共感を得られることをイメージしているそうです。
全員に納得してもらうことは不可能。五割でも妥協しなければいけない部分が出てくる。
三割であれば、自分の思いを乗せながらも共感してくれる人はいるはずだと。
僕の場合、社員全員に理解してもらわなければと思っていた部分があったのでとても勉強になりました。
その三割が伝道師になってくれるんでしょうね。

数日後。
朝のニュース番組で青学の選手が出演していました。
グリーンのジャージ姿にさわやかな笑顔。暗いイメージは一ミリも感じない。
青学が箱根を勝つって、やっぱりいいことだ。
大義があると応援したくなる。
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今週も週刊秋葉塾をお読みいただきましてありがとうございました。
青学生が飲んでいるというサプリメントを飲み始めました。
なんか効いてる気がする。
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