球数制限

今年の高校野球。
大阪桐蔭の強さが抜けていましたね。
金属バットで飛ぶボールが凶器に見えました。
しかし、準々決勝で下関国際にまさかの敗退。
油断があったとも思います。いつでも逆転できるって。
『甲子園には魔物が棲んでいる』
そう言われます。
魔物の正体は“声援“。
終盤、どちらの応援でもなかった中立の人たちが下関国際を応援し始める。
この空気によって大阪桐蔭は飲まれてしまったんじゃないかな。
ちょっとかわいそうなくらいの大応援だった。
今年の高校野球はチームの作り方が大きく変わったと感じた年でした。
一番の理由は投球制限ではないでしょうか。
1人の選手が1週間で500球までしか投げてはいけない。
2020年から導入されたルールです。
これによりエースだけで勝ち上がっていくというチームづくりが難しくなりました。
とはいえ球数制限にはそれほどの効果がないとも言われています。
だって、1週間で500球投げるシーンってそれほどありませんからね。
それでもこういう制限があることで、チームづくりは変わってくるものです。

今回優勝した仙台育英は140キロ台のピッチャーを5人用意しました。
決勝戦。
仙台育英の投手の球は走っていました。
下関国際のエースも悪くなかったが、仙台育英と比べると球の走りが違った。
そりゃそうだ。仙台育英の選手は中3日に対して、彼は連投なのだから。

いい選手がたくさんいないと甲子園では勝てない。
今後は選手を集められるチームが有利であるように思えます。
確かにそうだと思う一方で違うとも言えます。
誰かに頼るチームほどチーム作りは簡単です。
エースを中心に考えていけばいいのだから。
決勝戦。バーチャル甲子園のゲストは斎藤佑樹でした。
ハンカチ王子としてマー君率いる駒大苫小牧を破ったピッチャーです。
彼は1人で優勝まで投げ抜いた大投手。
球数は948球で歴代一位だそうです。
彼は5人のエースを擁した仙台育英のチームづくりについて
「まったく想像できない」
「是非取材に行かせてほしい」
といっていました。
これほどまでに今までとはチーム作りの根本が違うのです。

仙台育英は部内競争も激しいといいます。
140キロを投げれるピッチャーも10人ほどいたそうです。
でもそれだけではチームとして強くなることはない。
それぞれが自分の役割を明確にして、やるべき仕事をきちんとやる。
高校生にとってはとても難しいこと。
やっぱり自分にスポットライトが当たって欲しいと思う。
『自分のやっていることがチームのためになり、
それが自分の夢にもつながる。』
ここをどう教えていくのか。監督の手腕が試されるところだ。

高校野球は制限されたことでより強いチームづくりが必要になった。
ビジネスの世界も今、長時間労働、テレワーク、働き方の自由度、Withコロナなど沢山の制限がされている。
制限されている環境は息苦しいけど、
だからこそ高みを目指せるということじゃないかなと思う。
日本経済がダメだとか言われているけど、
制限されてピンチである今だからこそ大きな変革が起こり、
今まで以上の状態を作れるのではないのだろうか?
そんなことを期待させてくれる、今回の高校野球だった。

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今週も週刊秋葉塾をお読みいただきましてありがとうございました。
4強に残ったもう一校の東北勢「聖光学院」
レギュラーに東北の人1人しかいませんでしたが
スカウトはしていないそうです。
オープンキャンパスにて練習を見てもらい、
ここで野球がしたいという人が入学してくるというスタイル。
高校野球も日常が魅力的なチームが選ばれる時代になったんですね。
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