3度目の正直

12年ほど前、本気で出版にチャレンジしていた時期があった。
出版コンサルの人に会ったり、出版セミナーに参加したりして、チャンスをうかがっていた。
そんな時、ある出版社から声がかかった。
「デジタルとアナログをミックスした営業戦略が面白い」と評価されたのだ。
しかし、企画書を詰めていく段階で、編集者から「300万円分を買い取ってほしい」と言われた。
それでは商業出版とは言えない。その後、編集者からの連絡も途絶えた。
10年ほど前、「本を出すなら著者としてのプロフィールが大事」だと聞き、
プロフィール作成の講座に出た。
しかし、自分のことを客観的に見られず、なかなかうまくいかなかった。
著者育成講座にも参加した。
半年間の講座で、卒業試験には出版オーディションもあった。
講座中、出版プロデューサーに企画もプロフィールもけちょんけちょんにけなされ、今までやってきたことが全否定されたような気分になった。

彼との相性も最悪だったと思う。
精一杯の反抗は、「出版オーディションを受けない」と決めたことだけだった。
「もう出版は諦めよう」
そう思い、本を出すという夢から距離を置いた。
「そろそろ社長本、出してほしいんだけど」
役員の何気ない一言に、ハッとさせられた。
会社のブランディングのためにも本を書いてほしいという。
営業時にも使えるし、活動が楽になるという目的らしい。
10年前の嫌な記憶が蘇る……。
「ちょっと考えさせて」
そう言って、返事を保留にした。1年ほど前の出来事だ。
出版のことは、なんとなく頭の片隅にあった。
会社のためになることは分かっている。
けれど――心が動かない。
そんな折、本を出した友人と飲んだ。
何気なく「役員に本を出したほうがいいって言われてるんだよね」と話したところ、
「僕がお願いしたところなら、本を出せると思うよ」と返ってきた。
その出版コンサルの人とは、以前から面識があった。
でも、疎遠になっていたからちょっとだけ躊躇した。
「俺も一緒に行ってあげるから」
彼の好意に甘えて、セミナーに申し込むことにした。
12年ぶりの再会。
彼の出版コンサル事業は順調で、これまでに300人以上の著者を輩出していた。
彼も僕との再会を喜んでくれ、快く迎えてくれた。
「これはご縁だな」
そう思い、彼の講座を受講することに決めた。
先日、初回の2日間の講座を受講した。
あれほど苦戦したプロフィール作成も、今回はほとんどストレスなく進んだ。
50歳のときに自分史を書いたこと、ライフラインという手法で過去を可視化したこと、そして毎週メルマガを書き続けてきたことが、知らず知らずのうちに力になっていたのだと思う。
出版の企画書も、彼の力で一気に解像度が上がった。
この10年の取り組みが、ひとつの本の形になろうとしている。
振り返ると、10年前の僕には、出版する資格も、
伝えるべきコンテンツもなかったのかもしれない。
出版業界の構造や、編集者・出版プロデューサーの立場も理解できるようになった。

以前は「本が売れて、会社も僕も有名になりたい」と、どこか力が入っていた。
今は「出版できれば、それでいい」と思っているから、気が楽だ。
それが、むしろ良い方向に働いている気がする。
今回の講座の受講生は12名。
その中で、リーダーを仰せつかった。
過去44回の開催で、リーダーを務めた人は全員、出版しているという。
ちょっとプレッシャーを感じる……
でも不思議と、今回は楽しんでやれそうな気がするのだった。
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今週も「週刊秋葉塾」を読んでいただき、ありがとうございます。
8月8日に出版オーディションがあります。
それまで紆余曲折ありそうですが、つづきはメルマガにてお伝えしていきます。
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